安心なくして景気回復なし
      

 今年の通常国会は、政治とカネにまつわるスキャンダルと、有事関連法案をはじめとする重要法案の扱いに焦点が当たりましたが、深刻で切迫した課題は、景気問題です。
 七月の月例経済報告で、政府は景気判断を「底入れ」から、「一部に持ち直しの動きが見られる」と上方修正しました。確かに、輸出は増加し、生産も持ち直しの動きが見られます。
 しかし、失業率は依然高く、設備投資は低迷し、個人消費は横ばいで、景気は依然厳しい状況です。加えて、米国の株安や円高の進行により、景気回復の動きを支えてきた輸出も影響を受けざるを得ません。
 今こそ景気回復の兆しを、民需中心の持続的な経済成長につなげる経済財政運営が重要になります。当面は、景気状況に対応できる柔軟な財政運営を行うとともに、規制改革と税制改革を進めることが重要です。
 規制改革では、特定の地域に限定して、実験的に大胆な規制緩和を行う「構造改革特区」に期待が集まっています。教育、医療、農業、物流等に関し、地方治自体が具体的な提案を始めており、規制による閉そく状況の突破口として、推進していきたいと存じます。
 税制改革では、企業の設備投資と研究開発を促進する税制、生前贈与を活性化する観点から相続税・贈与税の一体的な見直し、土地の有効利用に資する観点から、登録免許税や不動産取得税などの土地流通課税についての見直しが焦点になります。
 また、根本的には、「安心なくして景気回復なし」だと思います。老後の不安、雇用の不安、財政破綻の不安から、消費が振るわずに貯蓄に回っています。「安心できる社会」を再構築し、個人の千四百兆円の金融資産を、安心して消費や投資に向けられるようにしなければ本格的な経済活性化にはなりません。
 まず、少子高齢化社会でも持続可能にするために、年金制度、医療制度等の負担と給付のあり方を見直し、社会保障を再構築します。また、国内の雇用を失う産業空洞化への対策、新たな雇用を創出する対策に取組みます。さらに、累増する国債を管理可能な範囲に抑える財政と税制の健全化を進めます。
 安心できる日本社会に再生するため改革を進めてまいります。