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経済教室1 消費増税の影響


  消費税率が5%から8%に引き上げられて近く2カ月を迎えます。そこで増税の影響や持続的な成長に向けた方策などについて、石井啓一が、公明新聞の取材に応じました。


Q 増税前の駆け込み需要と、その反動が心配されておりましたが。

石井 消費税率が5%に引き上げられる前の1997年1〜3月期と、今年1〜3月期の個人消費の伸び率を比べると、自動車や家電などの耐久財では、97年より今回の方が高く、駆け込み需要が大きいことが分かりました。逆に、外食や旅行などのサービスでは、97年より低く、駆け込み需要が小さかったことを示しています。
  全体的に見て、今回は増税幅が3%と前回の2%より大きいにもかかわらず、駆け込み需要は「前回並み」にとどまったと言えます。前回の経験から想定できた範囲内に収まっているのではないでしょうか。

Q 前回並みにとどまった要因は。

石井 消費者が落ち着いて行動できた点が挙げられます。4月からの住宅ローン減税の拡充や自動車取得税の軽減など自公政権が講じた経済対策も効果を発揮しました。
  今年の春闘で大手企業を中心に賃金のベースアップ(賃金体系の底上げ)が相次ぎ、今夏のボーナスアップに期待が高まっていることも要因になったと見ています。

Q 中小企業の価格転嫁も課題です。

石井 立場の弱い下請け中小企業が商品の納入先から増税分の支払いを拒否される事態は、絶対にあってはなりません。公明党は、価格転嫁の拒否を厳しく取り締まる法律の制定などを通じ、円滑な価格転嫁を促してきました。
  経済産業省が4万社を対象に、4月下旬から5月上旬にかけて実施したアンケートの結果では、事業者間取引で増税分が販売価格に「全て転嫁できている」との回答が79%に上りました。

Q 消費増税に伴う低所得者対策として「臨時福祉給付金」の申請が始まります。

石井 臨時福祉給付金の給付額は1人につき1万円で、老齢基礎年金などを受け取っている方は、5000円が上乗せされます。
  対象は住民税が課税されず、かつ住民税が課税されている人の扶養家族になっていない方です。
  さらに重要なのは「申請をしないともらえない」ことです。住民税額がはっきりする6月以降、各市町村は広報誌やホームページなどを通し、申請のお知らせを徹底しますが、手続きの方法は市町村によって異なるので注意が必要です。
  なお、子育て世帯には「子育て世帯臨時特例給付金」が給付されます。

Q 消費増税を乗り越え、景気回復を持続的なものにしていくには、何が必要ですか。

石井 今後の日本経済を引っ張っていく新たな産業をいかに生み出していくかが中長期的な対策として重要で、そのために必要なのが成長戦略です。政府は6月に新たな成長戦略の閣議決定をめざしていますが、公明党は5月末をめどに、政府に成長戦略を提案する予定です。
  日本が持つ最大の資源は人材です。この観点から、党内では、女性や若者が生き生きと活躍できる社会を築くための施策などについて議論を進めています。
  さらに、今回の春闘での賃上げは来年も継続しなくてはなりません。賃金アップによって個人消費が伸びる好循環をつくり、持続的な経済成長を実現していきたいと考えています。

  

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