経済教室NO.1 就職 「超氷河期」 克服を
                                 
Q 大学生の就職戦線が厳しさを増しています。

A 文部科学省と厚生労働省の調査によれば、今春卒業予定の大学生の内定率(昨年12月1日現在)は68.8%と、調査が始まった1996年以降、最悪の水準となりました。
 男子は前年同時期より2.9ポイント減の70.1%、女子は5.8ポイント減の67.4%で、いずれも過去最低を更新。地域別では「北海道・東北」以外のすべての地域で下落しています。
 実際は、何十社もの採用試験を受けても内定を得られず、焦燥感に駆られる学生が少なくありません。「就職氷河期」とされた2000年前後よりも厳しい「超就職氷河期」を迎えたと言えます。

Q 原因は。

A 08年秋のリーマン・ショック以降、大企業が人件費を抑えるため、新卒採用を大幅に絞り込んだことが大きな原因です。景気悪化の最悪期を脱した今も、大企業は新卒採用に慎重な姿勢を崩していません。
 リクルートによると、10年度の民間企業の求人総数は58万1900人と、09年度の72万5000人から19.8ポイントも減少しています。また、大企業がグローバル化を進めようと、外国人学生の採用に意欲的なことも日本人学生の就職難に拍車を掛けていると指摘されています。

Q
 学生数が増えたと言われていますが。

A はい。学生数が急増していることも内定率が悪化している要因です。少子化で若年層の人口が減少する中、大学進学率は向上しています。この20年間で18歳人口は約80万人も減る一方、大学進学率は50%超と倍増しました。
 これに加え、10年春に進路が未決定のまま卒業した人が8万7000人もおり、その多くが継続的に就職活動に取り組んでいることから、就職戦線は一段と激化しています。

Q 内定がないまま卒業を迎えてしまうのでは。

A かつての就職氷河期では、内定がないまま卒業してしまった人の多くが、その後も正社員になれず、「ロストジェネレーション」(失われた世代)と呼ばれました。
 最も活力に富んだ若者の雇用が不安定になれば、経済社会にとっても大きな損失です。菅政権は「一に雇用、二に雇用、三に雇用」と声高に叫んでいますが、事態打開への動きが鈍く、状況は一向に改善されていないのが実情です。政府は学生の就職支援に本腰を入れて取り組むべきです。

Q どのような支援策が必要ですか。

A
 課題となっているのが中小企業と学生の「ミスマッチの解消」です。今春卒業予定の大学生らの求人倍率が従業員5000人以上の大企業で0.47倍であるのに対し、従業員300人未満の中小企業では4.41倍にも上ります(リクルート調査)。不景気が続き、安定した大企業志向が学生に強いのに対し、中小企業では人手不足が続いています。
 優れた技術を持ち、将来性の高い中小企業は少なくありませんが、こうした情報が学生の間で希薄なのも事実です。国には中小企業と学生の“橋渡し”を行う役割が求められています。

Q 企業側の採用の仕方に問題はありませんか。

A
 学校を卒業したばかりの人を対象とした「新卒採用」を中心とした慣行を見直す必要があります。
 就業経験がなくても一度学校を卒業した人は「中途採用」として扱われ、門戸が格段に狭くなることから、あえて卒業せず「就職留年」を選ぶ学生が増えています。
 また、就職活動が早い時期から始まる現実も見直さなければなりません。企業の採用活動は大学3年生の秋に会社説明会などを始め、4年生の4月に採用試験を行うのが一般的です。
 ただ、内定を得られない場合は就職活動が長期化し、学業への悪影響が懸念されています。

Q 公明党の取り組みは。

A
 党青年委員会を中心に学生らと中小企業を橋渡しする「ドリーム・マッチ・プロジェクト」を強力に推進してきました。昨夏の合同企業説明会が好評だったことを受け、昨年12月から今年2月まで全国7か所で追加開催されます。
 また、卒業後3年以内の未就職卒業者を新卒扱いとするよう求めるとともに、就職活動の早期化是正を訴えてきました。こうした中、既卒者を新卒枠に入れて選考する企業が出始め、経済界でも採用活動の時期を遅らせる動きが目立ってきました。

 


公明新聞記事(H23. 1. 31)より転載