経済教室NO.5  政策迷走する菅政権の財政運営
                                    
  菅政権の2011年度予算編成に早くも暗雲が立ちこめている。鳩山政権の10年度予算編成では各省庁の予算要求に上限枠を設定する概算要求基準(シーリング)を廃止し、バラマキ公約で歳出を肥大化させた。今回は、シーリングを復活させ、23日の閣議了解をめざしていたが、今月末に先送りすることになった。
  先月、政府が閣議決定した財政運営戦略によると、11年度は国債費を除く歳出額を10年度の71兆円以下にするとともに、新規国債発行額を44兆円以下に抑えるとしている。
  しかし、内閣府の試算では、10年度で活用した特別会計の埋蔵金の一部が使えなくなるため、税収が2兆円程度増加すると見込んでも、歳出と歳入のギャップは49兆円に上る。国債発行を44兆円に抑えるには、5兆円程度、歳入が不足する計算だ。
  さらに民主党マニフェストの実現には、11年度に新たに5〜6兆円の財源が必要。社会保障費の自然増約1兆円も含めれば、6〜7兆円程度の財源捻出が不可欠となる。不足分の5兆円を合わせると、11〜12兆円も足りない。バラマキ公約の縮減は必至だが、どの程度予算に反映させるのか、全く見えない。
  社会保障費などを除く政策的経費について、一律1割程度の削減を求める財務省の方針に対しても、一部閣僚から反発が噴出。
  また医療・介護などの分野に重点配分するため、1兆円の特別枠を設けることも検討課題とされているが、シーリングの抜け道になる恐れもある。

公明新聞記事(H22. 7. 17)より転載