経済教室NO.18  事業仕分けは「政治主導」か?
                                    
Q そもそも、「事業仕分け」は公明党が提唱したものでは。

A その通りです。行政のムダ削減を進める有効な手段として、公明党が最初に提唱し、小泉政権下で制定された行政改革推進法に明示されました。しかし、鳩山政権が行っている事業仕分けには幾つもの疑問点が浮かび上がっています。

Q 民主党国会議員が各省の官僚らを徹底してやり込める姿が連日のように報道され、国民も好意的に見ているのではないですか。

A 従来、見えにくかった予算編成と比べ、議論がオープンになったのは確かです。しかし、今回の事業仕分けは、財務省が政治主導を演出する「歳出削減ありき」のパフォーマンスと言えます。「政治主導」を印象付けたい民主党と、その意向をくみ取って要求官庁との折衝を有利に進めたい財務省。双方の思惑が一致したものなのです。仕分け人は事前に事務局を担当する財務省から「極秘マニュアル」が配られていました。

Q 鳩山政権がまとめた来年度の概算要求は総額で95兆円台に膨らんでいます。歳出削減目標は3兆円。その削り込みをするのが今回の「事業仕分け」ですよね。

A 今回の事業仕分け自体に法的拘束力はありませんが、鳩山政権はこの作業結果を受けて、政府予算案を編成するとしています。しかし、検討対象になったのは各省合わせて447事業ですが、「そもそも仕分けの俎上に載せた事業の選定は、財務省の作成したリストがもとになっている」(18日付 産経)などの指摘があります。どのように対象事業を絞り込んだのか基準の不透明さはつきまといます。
 “聖域なく”事業の見直しをするなら、子ども手当や高速道路無料化など民主党のマニフェストも、公開の場で事業仕分けをしないと説得力がありません。

Q 各事業の評価はどのように決められていくのですか。

A 民間メンバーと国会議員で構成する9人の仕分け人が説明役の各省と約1時間程度の質疑、議論を経て、原則、多数決で「廃止」「予算縮減」などを決めていきます。仕分け人のうち6人が「予算削減」と判断したにもかかわらず、取りまとめ役の民主党議員が「廃止」と強引に結論を出す場面もありました。
 また、科学技術関連が軒並み「大幅削減」となったことも問題です。取り立てて資源のない日本が科学技術立国として先行投資することの意義に踏み込むことなく、次々とムダのらく印を押していったのです。経済成長戦略を持たない鳩山政権の弱点が、ここにも表れています。

Q 前半日程ではどの程度のムダ削減ができたのですか。

A 廃止や予算見送り、予算縮減を明記したのは4600億円程度。基金などを合わせると1兆4000億円程度で、目標の3兆円に届くかどうか微妙です。ましてや、19日の行政刷新会議全体会合では、閣僚や与党内から判定結果に異論が相次ぎ、前半分事業の了承を先送りする迷走ぶり。本当に仕分け結果を反映できるのかも心もとない限りです。
 民主党は、マニフェスト実現に必要な巨額の財源について、国の一般会計と特別会計の組み替えと、事業仕分けによるムダ削減で確保できると強弁してきました。しかし、財源確保のメドは立たず、マニフェスト予算の削減を迫られています。


公明新聞記事(H21. 11. 23)より転載