経済教室NO.13  経済成長リードする環境分野
                                    
 従来、「環境保全は経済発展を制約する」と見なされがちでしたが、未曾有の経済危機の中で景気の底割れを防ぎ、新たな雇用を生み出すための切り札として環境分野が注目されています。
 今年12月には国際気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)がデンマークのコペンハーゲンで行われ、地球温暖化対策の次期枠組みが決まります。
 温暖化防止対策は待ったなし。これが世界各国の共通認識です。今後、環境分野は大きな需要が見込まれ、「環境分野を制するものが21世紀をリードする」とも言われています。
 斉藤鉄夫環境相(公明党)が今年4月に発表した「緑の経済と社会の変革」は、いわば日本版グリーン・ニューディール政策。他国に比べ日本が技術面などで優位に立てる環境分野で大胆な政策を実行し、経済活性化を推し進めるものです。


『エコポイント制度』
 
『省エネ家電を普及/CO2削減効果は年間400万トン』
 エコポイント制度は、省エネラベル四つ星相当以上のエアコン、冷蔵庫、地上デジタル(地デジ)テレビを購入すればエコポイントが付き、ポイント数に応じて対象商品と交換できる事業です。地球温暖化の要因となるCO2(二酸化炭素)削減と経済活性化が狙いです。
 エアコンは冷房能力、冷蔵庫は内容量、テレビは画面サイズに応じてポイントを付与。リサイクルする場合は、さらにそれぞれ3000〜5000ポイントが付きます。今月1日にはポイント申請の受け付けがスタート、8月からは対象商品との交換も始まります。
 経済産業省は、幅広い産業に好影響を与えるとみて経済波及効果を産業全体で約4兆円、約12万人の雇用創出を見込む一方、買い替え促進によるCO2削減効果は年間400万トンに達すると試算しています。
 5月の制度開始以降、3品目の売り上げ状況は対前年比で着実に増加。エコポイント事業が対象家電購入を大きく後押ししています。

『エコカー購入補助』
 
『買い替えで最大25万円/5兆円の経済効果 12万人の雇用創出見込む』
 環境対策と景気対策を両面から効果的に進めるため、環境性能に優れた新車の買い替えに一定額を補助するエコカーの購入補助制度が好評です。これが“追い風”になって新車販売台数も着実に伸びています。
 車齢13年以上の車を廃車して2010年度燃費基準達成車に買い替える場合、普通自動車は25万円、軽自動車には12.5万円を補助します。廃車を伴わなくても排気ガス性能四つ星で、10年度燃費基準をプラス15%以上達成した車を購入すれば普通自動車で10万円、軽自動車で5万円を補助。補助金は通常、申請から2〜3週間程度で購入者の口座に振り込まれます。
 経済産業省はエコカー購入補助の経済波及効果について、今年度から始まった自動車重量税・取得税の軽減措置を含めると関連産業も合わせて約5.1兆円に上ると試算。約12万人の雇用を創出する一方で、年間約100万トンのCO2削減効果があると見込んでいます。

『スクール・ニューディール』
 
『学校に太陽光発電/補正で各種エコ化予算 29億円の電気代節約』
 温室効果ガスの大幅削減に向けて、限りある化石燃料に代わり永続的に利用可能な太陽光をエネルギー源にする太陽光発電。政府・与党はスクール・ニューディール構想の一環として、現在の10倍となる全国1万2000の公立小中学校への太陽光発電の早期導入を全力で進めています。
 学校施設は災害時には地域住民の応急避難場所としての役割も果たします。その点で学校の安全確保は極めて重要なことから、耐震強度が不十分な学校施設では耐震化工事と併せて太陽光発電を設置します。全国の公立小中学校に整備することで太陽光発電設備の需要が拡大する結果、設備の価格低下も期待できます。
 また、子どもたちの環境教育としては、太陽光パネルの仕組みを体感できる一方、CO2削減効果を興味深く学習することができます。
 文部科学省は、20キロワットのパネルを1万2000校に設置した場合、年間発電量は2億5000万キロワット時で、約29億円の電気料金を節約できると試算。新たに約8万人の雇用を生み出し、年間約13万トンのCO2削減効果があるとみています。
 今年度補正予算では二重サッシや断熱ガラス、節水型トイレ、校庭の芝生化、ビオトープ(動植物の生息空間)設置など、学校のエコ改修のための予算も確保。
 地域住民にとっても身近な公共施設である学校のエコ化を進めることで地域活性化、雇用拡大への連動が期待されます。

公明新聞記事(H21. 7. 20)より転載