経済教室NO.12  経済対策が効果を発揮

                                    
Q 景気に持ち直しの動きが見られますが。

A 経済危機で急激に落ち込んだ各種の経済指標に改善が目立ち始めました。
 内閣府は17日に発表した6月の月例経済報告で、景気の基調判断を2カ月連続で上方修正し、「一部に持ち直しの動きがみられる」と、7カ月ぶりに「悪化」の文言を削除。
 与謝野馨・経済財政相は同日の記者会見で「(今年)1―3月(期)が(景気の)底であったと強く推定される」と、主要国で最も早く事実上の「景気底打ち」宣言をしました。

Q 景気の底打ちとは。

A 厳密な定義はありませんが、最悪の状態に達した景気に上向きの動きが見られる状態をいいます。景気の底に到達した「底入れ」より、やや強い表現で、景気が上昇局面に転じたことを表しています。

Q 底打ちした要因は。

A 主に、生産や輸出の持ち直しが挙げられます。
 特に、需要減少で増えた在庫の調整は大きく進み、経済産業省が発表した4月の鉱工業生産指数(鉱業や製造業の生産状況を示す指標)は、約56年ぶりの上昇率を記録しました。
 一方、景気浮揚のカギを握る個人消費に持ち直しが見られたのも、景気底打ちとした大きな要因です。
 5月の内閣府「景気ウォッチャー調査」(街角の景気実感を知るための調査)では、景況感が家計、企業、雇用で5カ月連続の上昇。3月に7000円割れ寸前だった日経平均株価も今月12日には、8カ月ぶりに1万円台を回復しました。
 こうした景気浮揚への動きは、「政府による経済対策の効果」(6月18日付 読売新聞)と見られています。

Q 具体的な効果は。

A 大手企業の今夏のボーナスが過去最大の下落率を記録するなど、個人消費を取り巻く厳しい環境下で、公明党が強く推進してきた消費刺激策が大きな効果を発揮しています。
 例えば、省エネ家電の買い替えを支援するエコポイント制度は「景気対策として顕著な効果」(6月16日付 産経新聞)を挙げています。
 環境省によれば、5月15日の制度開始以来、対象商品のテレビ、エアコン、冷蔵庫の売り上げは増加傾向(前年同期比)で、5月中旬から6月上旬までの3品目の売上高は、約20%(同)も伸びました。
 特に、5月の薄型テレビの販売台数は対前年比で43%増と、過去3年間で最高の伸びを記録。エコポイント制度だけで販売台数を20―30%押し上げる効果があるとしています。生産メーカーは対象商品の増産体制に入りました。

Q 環境にやさしいエコカー購入支援策や定額給付金なども多くの人に喜ばれていますね。

A エコカー減税により、ハイブリッド車の新車販売は好調で、業界は買い替え補助と合わせ、自動車100万台の需要創出効果を見込んでいます。
 一方、定額給付金は、すべての市区町村で給付が始まり、各地で喜びの声が広がっています
 給付金をきっかけに、さらなる消費拡大に向けた取り組みも活発化し、プレミアム(割り増し)付き商品券を発行・準備している市区町村は1045と、全市区町村の約60%にも上ります。
 また、バーゲンセールの実施など、給付金との相乗効果を狙う工夫も多くの地域で見られるようになりました。
 このほか、休日の地方圏の高速道路料金が上限1000円へと大幅に引き下げられたことが地域の景気浮揚へ大きな追い風になっています。
 引き下げ開始以降、東京アクアラインなどの休日の交通量は大幅に増え、観光需要を確実に掘り起こしています。国土交通省は観光客の増加に伴う宿泊や外食産業などへの経済効果を2年間で約7300億円と試算しています。

Q 企業倒産が相次いでいましたが。

A 増加傾向にあった企業倒産にもブレーキがかかり始めました。
 民間調査会社・東京商工リサーチによると、5月の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は1203件と、ここ1年間で最小となり、1年ぶりに前年同月を下回りました。
 同社は、企業倒産が減った要因について、公明党が強力に推進してきた中小企業に対する「『緊急保障制度』などの金融支援が効果を発揮したため」と分析しています。

Q 今後の見通しは?

A 09年1―3月期の国内総生産(GDP)成長率は過去最大の下げ幅となりましたが、エコノミストの間では、経済対策の効果などで4―6月期はプラスに転じるとの見方が大勢です。
 ただ、雇用情勢は依然厳しく、海外経済の先行きも予断を許しません。今後も経済情勢を注視しつつ、緊張感を持った対応が必要です。

公明新聞記事(H21. 6. 29)より転載