経済教室NO.26 生活、景気支える大型減税


Q 09年度税制改正の基本的な考え方は。

A 金融危機などの影響で後退局面に入った景気を下支えするため、大型減税を柱に据えました。減税規模は、約1兆700億円にも上ります。公明党の主張で実現する2兆円規模の定額給付金を含めると実質3兆円の減税です。

 景気の減速感は一段と増しています。日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断指数(DI)が石油ショック時に次ぐ過去2番目の下げ幅を記録し、急速な景気悪化を裏付けました。
 こうした非常事態の中で、大綱では「国民生活を守り、今年度から3年間のうちに景気回復を最優先で実現する」として、減税による内需刺激を掲げています。

Q 減税の中身は。

A 減税規模が最大(2200億円)となったのが中小企業対策です。

 具体的には、景気悪化の打撃が大きい資本金1億円以下の中小企業の法人税負担を軽減します。
 現在、中小企業の年間所得800万円以下の部分は22%の軽減税率(本則30%)が適用されていますが、09年4月からの2年間はこれを18%に引き下げます。
 また、今年度が赤字でも前年度が黒字であれば、前年度に納めた法人税の一部が還付される「欠損金の繰り戻し還付制度」の対象を設立5年超の中小企業にも広げた上で復活させます。制度開始は09年2月からです。
 このほか、@非上場中小企業の株式を承継する際の相続税、贈与税の納税猶予A農地に対する相続税の納税猶予制度の見直し―なども行い、後継者難に苦しむ中小企業や農家が事業承継をしやすいようにします。

Q 住宅税制が拡充したようだが。

A 景気への波及効果が高い住宅支援の強化も大きな柱の一つです。
 このうち、12月末で期限切れとなる住宅ローン減税は5年間延長し、減税額を拡大しました。減税期間は10年です。
 住宅ローン減税は、毎年末時点の住宅ローン残高の一定割合を所得税額から差し引くもので、現行の最大減税額は160万円です。
 今回の税制改正では、ローン残高の上限を5000万円、一般住宅で最大減税額を500万円(年50万円)に引き上げます。減税額は年末のローン残高の1%です。
 耐久性などが高い「200年住宅」(長期優良住宅)に入居の場合は、控除率が1.2%と大きく、減税額は最高600万円(年60万円)と過去最大になります。減税額が所得税額を上回る場合は、その分を個人住民税から差し引き(所得税と同額までで上限9万7500円)、中低所得者にも配慮しました。
 来年1月以降の入居者が対象ですが、11年(200年住宅は12年)以降は、入居年が遅くなるほどローン残高の上限や控除率が小さくなります。
 また、ローンを組まずに、自己資金で省エネやバリアフリー改修などを行う場合でも、所得税が減税される制度を創設します。09年4月から10年末までの時限措置です。

Q 自動車関係諸税の見直しが焦点だった。

A 自動車関係諸税は調整が難航しましたが、最終的に公明党の主張が随所に反映されました。
 最大の特徴は、景気と環境の二つの対策を両立させるため、環境適合車の税負担を大幅に軽減したことです。
 09年4月からの3年間で電気とガソリンを併用するハイブリット車など環境に優しい新車を購入した場合は、3年分の自動車重量税と自動車取得税が全額免除されます。これ以外の環境適合車(新車)でも燃費性能などに応じて50%か75%が税額から差し引かれます。

Q すでに車を持っている人に恩恵はないのか。

A 09年度から道路特定財源が一般財源化されることを踏まえ、公明党は自動車ユーザーの理解を得るため、自動車の「保有」に対する税負担軽減を主張。環境適合車すでに保有しているユーザーも減税対象とさせました。09年4月1日から12年4月30日の間に受ける初回の車検時に2年分の自動車重量税を減免します。

Q 社会保障費の財源はどう確保するのか。

A 少子高齢化で社会保障費が増大していく中で安心を確保するためには、社会保障制度の土台となる安定財源の確保が喫緊の課題です。
 そこで大綱では、消費税を含む税制抜本改革で安定財源を確保する道筋を明らかにしました。抜本改革の実施時期については「経済状況の好転後に速やかに実施し、2010年半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」ことで合意しました。
 社会保障費の財源は消費税だけでなく、ほかの税目も含め総合的に考える必要があります。このため、大綱では行政のムダ削減を進めるとともに、抜本改革時に所得税の最高税率引き上げや資産課税見直しなどを検討するとしています。
 同時に、給付付き税額控除や消費税の複数税率など中低所得者の負担軽減策の検討も進めます。


公明新聞記事(H20. 12.22)より転載