経済教室NO.22 太陽光発電の導入促進
                                   
Q 太陽光発電とは何か。

A
 「太陽電池」を使って、太陽光を直接電気に変換する発電方法です。太陽電池は主にシリコンなどの半導体で作られています。半導体は光が当たると電圧を発生する性質を持っています。電池という名前が付いていますが、電気を蓄える機能は持っていません。

Q
何が優れているのか。

A 一つはエネルギーの豊かさにあります。地球上に到達する太陽光のエネルギー量は、1平方メートルあたりで約1キロワット。仮に太陽光エネルギーを100%電気に変換することができれば、世界の年間消費エネルギーをたったの1時間でまかなうことが可能とされます。加えて太陽光エネルギーは将来的に枯渇する石油や天然ガスとは違い、無尽蔵です。そのため世界的なエネルギー不足問題の切り札であると考えられています。
 もう一つ、自然環境にやさしいという点です。発電による二酸化炭素(CO2)排出量は、製造過程で排出される分を含めても石炭火力発電の18分の1程度しかありません。また、原子力発電所の放射能漏れ事故のように大規模な環境汚染を引き起こす危険もありません。

Q 世界の市場規模は。

A 野村證券金融経済研究所の試算では、2007年の太陽電池の推定市場規模はシステム(設備)ベースで1兆7000億円。それが08年に前年比37%増の2兆3300億円、12年には07年の約4倍、6兆5700億円もの巨大市場に成長すると予測されています。

Q 欧州では市場が急拡大しているようだが。

A
欧州各国が採用する助成金制度「電力買い取り制度(フィード・イン・タリフ=FIT)」が、あるからです。
 この制度によって欧州の電力会社は、企業が太陽光で発電した全電力の買い取りが義務付けられています。さらに、買い取り価格は電力会社自身が販売する電力の値段よりも数倍高く設定されています。企業は自社発電した太陽光を高く売却することができるので、設備投資を気にすることなく積極的に導入することができます。
 一方、電力会社にとってもFITによる助成金が受けられるため、両者にとって利益の大きい仕組みになっています。

Q 企業にとってもメリットが大きい?

A その通りです。日照量が少なくて発電量が少なくなってしまうといったリスクを除けば将来の収益予想が立てやすく、国債や銀行預金よりも太陽電池を導入して売電した方が、はるかに収益性が高いのです。FITを導入した欧州各国では太陽光発電設備の導入が急速に進んでいます。
 また、発電ビジネスの収益性に着目した投資ファンド(基金)も多数設定されており、金融市場からの投資資金を呼び込むことにも成功しています。
 アジアでも太陽電池の増産に拍車が、かかっています。中国、台湾に続いて韓国やインドも参入。市場の主導権争いが本格化しています。

Q 日本の市場状況は。

A 主要国の太陽光発電導入量の推移からも分かるように、日本は長らく保ってきたトップの座を05年にドイツに明け渡しました。これは政府の住宅用太陽光発電導入促進事業が05年に終了し、一方で同時期にドイツでFITが本格的に推進されたことによります。

Q 日本は後れを取り戻せるか。

A 太陽電池による発電技術は依然として日本がトップ水準にあり、その強みを生かせるかが課題です。現在の太陽電池はシリコン半導体が主流ですが、今後の供給不足が懸念されています。日本の太陽電池メーカー各社はシリコン不足にも対処できるように、金属化合物を主成分とした「CIS型」と呼ばれる太陽電池の研究開発を進めてきました。CISとは「銅、インジウム、セレン」の各金属化合物の頭文字です。すでに07年から商業生産が開始されており、今後日本が再び市場競争力を取り戻す可能性が出てきました。

Q
公明党の取り組みは。

A 新たな連立政権合意では、公明党の主張で住宅への太陽光発電設置に対する補助制度の復活が盛り込まれました。
 また、今臨時国会における衆参両院の本会議代表質問で、公明党の太田昭宏代表と浜四津敏子代表代行が、太陽光発電導入について政府が積極支援するよう要請。斉藤鉄夫環境相(公明党)は、太陽光発電の世界競争力で「必ず1位を奪還する」と力強く答弁しました。

公明新聞記事(H20. 10.13)より転載