経済教室NO.10  独占禁止法改正案
                                   
Q そもそも独禁法が制定された狙いは。

A 公正で公平な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることにあります。自由主義経済の基盤となる市場競争への信頼を確保する上で、非常に重要な法律です。市場メカニズムが正常に機能していれば消費者利益の確保にもつながります。それを妨げるような、さまざまな要因を取り除いていく重要な役割を担っています。

Q 今回、改正案が提出された背景は。

A 前回の改正法は2005年に施行されました。談合(関係者による話し合いで競争入札の落札者をあらかじめ決めること)やカルテル(自由競争を避けて企業間で製品価格などを調整する行為)に対する課徴金制度を取り入れ、違法行為に対する抑止力を強化したことが主な内容です。そこには法施行の2年後に見直しを行うことを明示。この間、有識者による独禁法基本問題懇談会が継続して開催され、昨年10月の報告を受け、今回の改正案に至りました。

Q 今回の主な改正点は。

A
まず、課徴金の適用対象が拡大されます。従来の談合やカルテルだけでなく、大手企業による中小零細企業などに対する下請けいじめなどの「優越的地位の濫用」、さらに、原価割れした価格で商品・サービスなどの安売りをする「不当廉売」についても公正な競争、自由な競争が妨げられているという観点から課徴金が科されることになります。

Q 消費者問題への対応にも踏み込んだようだが。

A 「不当表示」を課徴金の対象に加えたのも改正案の大きなポイントです。昨今、食品表示の偽装をはじめ、商品の誇大広告、携帯電話会社の紛らわしい料金表示などが問題になっています。これまで警告などにとどまっていたため、業者の「やる得」を許すようなケースもありましたが、消費者保護の観点を鮮明にしたのが今回の法案の特徴といえるでしょう。

Q 違法行為への抑止効果が高められるとも聞いたが。

A カルテルや入札談合などで、他の企業に違反行為を要求するなど主導的な役割を果たした企業への課徴金が5割増しにされます。
 その他、課徴金を科すことができる期間についても現行の3年から5年に延長。自主的に談合情報を通報した場合に課徴金を減免する制度も拡充され、申請できる会社数が最大3社から5社になるほか、グループ会社による共同申請も認められます

Q 今後の課題は。

A 公正取引委員会(公取委)による審判制度の存廃については議論を続けることになりました。この制度は、公取委の示した処分に不服がある場合、その是非について公取委が審査するシステムです。審査と処分を同じ公取委がすることに経済団体などからは異論が出ていましたが、意見が分かれました。今回の法案では、審判制度については08年度中に全面的に見直すことを盛り込みました。


公明新聞記事(H20. 3.31)より転載