経済教室NO.22地域活性化の取り組み加速
                                   
Q 地域経済の現状は。

A 日本経済全体としては緩やかな回復基調が続いていますが、地域経済は依然厳しい状況です。
 内閣府の「地域経済動向」によれば、関東、東海地方の景況は「回復している」ものの、北海道や東北地方は「持ち直し」と、回復の程度に温度差が見られます。
 地域経済活性化のカギを握るのは雇用です。しかし、8月の有効求人倍率(季節調整値、働きたい人の数に対する企業の求人数の比率)では、愛知県(1.99倍)や東京都(1.36倍)と、青森県(0.49倍)、沖縄県(0.44倍)の間には大きな開きがあり、26道県で1倍を下回るなど地域間の格差が鮮明になっています。完全失業率を見ても、北海道や九州・沖縄地方は、ほかの地方と比べ高い水準です。

Q なぜ、格差が目立ち始めたのか。

A まず、公共事業の抑制が挙げられます。政府はこれまで、高度経済成長に伴う社会資本への需要の高まりなどを踏まえ、景気対策としても公共事業を積極的に実施してきました。
 しかし、国の財政再建が進むにつれ、公共事業費は減少し続け、今ではピーク時の半分以下にまで減少しています。このため、公共事業に依存してきた地方では、新たな「成長の芽」を見いだすことが難しくなり、好況な大企業がある地域と、ない地域との格差が広がりつつあります。
 また、経済のグローバル化の影響で、地方にあるものづくり拠点の海外移転や、外国製品の国内流入がが増大し、地方の産業衰退、雇用の喪失をもたらしたことも格差を広げた要因といわれています。

Q 農業振興も重要な課題だ。

A
農業は地方を支える重要な産業ですが、農家の経営状況は極めて厳しいのが現状です。
 特に、最近は米価の下落に歯止めがかからず、中でも今年度から始まった農業団体などによる自主的な生産調整がうまく機能しなかったこともあり、今年の米価が急落。収入が減少し、採算割れに陥る農家も少なくありません。
 一方、農家の高齢化によって担い手が不足し、耕作放棄地が増えている問題への対応や、中小農家も視野に入れた農業振興策が重要な課題になっています。

Q 地域活性化への政府・与党の取り組みはどうなっているのか。

A 取り組みは加速しています。
 福田康夫首相は先月1日の所信表明演説で地域間格差などの課題に「一つひとつきちんと処方箋を講じていく」とした上で、@ばらまきでない地方再生A高齢者や小規模農家が農業に取り組める環境整備―などを進める意向を示しています。

Q 具体的には。

A 政府は先月9日、地域活性化への体制を強化するため、内閣官房に設置されていた4つの本部(都市再生、地域再生、中心市街地活性化、構造改革特別区域推進)を「地域活性化統合本部」に一本化しました。
 4本部は、それぞれの法律に基づいて設置されていましたが、縦割りの対応で、地域が求めるニーズ(要望)に的確に対応できないといった問題がありました。こうした問題点を踏まえ、統合本部は地域活性化への総合的な戦略を検討し、今月中にも発表する予定です。
 統合本部については、先月4日に行われた公明党の太田昭宏代表の代表質問で福田首相が設置を表明していました。

Q 政策面ではどうか。

A 政府は先月30日、雇用情勢が厳しい北海道や沖縄県などの8道県を対象に、今年度中に緊急プロジェクトを実施すると表明しました。
 中心市街地活性化策の前倒しや産学連携によるまちづくりと雇用創出対策の強化など、8道県からプロジェクトに盛り込む内容を募集し、関係府省が連携して地域活性化に向けた追加対策を行います。
 農業に関しては、1日の経済財政諮問会議で若林正俊・農林水産相が農地の「所有」から「利用」への転換を図り、規制緩和などによって農地の有効利用を促す方針を示しました。

Q 公明党の対応は。

A 先月14日から、党地域活性化推進本部(坂口力総合本部長=副代表、井上義久本部長=同)が地域の課題や、その解決策を探る「地域活性化フォーラム」をスタートさせました。今後も過疎集落や商店街の視察などを精力的に行い、地域の声を国政に反映させていく方針です。
 また、雇用格差是正対策本部(白浜一良総合本部長=参院議員、福島豊本部長=衆院議員)、中小企業活性化対策本部(白浜本部長)も視察や対話集会を行い、地域住民の声を国政に反映させるために政策提言などに取り組む予定です。


公明新聞記事(H19. 11. 5)より転載