経済教室NO.21民間非営利団体などを支援するNPOバンク
                                   
Q 「NPOバンク」とは、どのようなものか。

A 福祉や医療、介護、環境をはじめ、地域でさまざまな社会貢献的な事業をするNPO団体などを資金面から支援するための「市民の銀行」です。かつて、庶民の間で資金を持ち寄り必要なお金を融通し合った頼母子講(たのもしこう)のようなイメージです。

Q 全国にNPOバンクはどの程度あるのか。

A 94年に設立された未来バンク事業組合をはじめ、現在九つあります。一部にアーティスト3人出資によるバンクもありますが、ほとんどが趣旨に賛同した多くの個人や団体からの出資で設立されています。

Q
具体的な仕組みは。

A
NPO法人は出資を受けることはできないため、多くのNPOバンクは出資を集める受け皿機関と、貸金業登録をした上で融資をする機関と別立てにしています。受け皿機関は出資金を全額、金利ゼロで融資機関に融資することで融資機関が貸し出しをします。

Q 既存の金融機関でも融資ができるのでは。

A 一部に市民事業向け融資を行っている金融機関もありますが、多くの団体は個人からの借入がほとんどです。NPOなどにとっては、金融機関からの融資は、手続きが煩雑だったり、担保や保証を求められたりと、依然として敷居が高いのが現実です。
 こうした背景から低金利、無担保でつなぎ融資や事業の運転資金を貸し出すNPOバンクの存在意義が出てくるのです。

Q 貸し出す際に審査はないのか。

A もちろん、各NPOバンクともに事前に審査を行います。活動にどの程度社会的意義があるのか、また融資先の財務面、団体の運営体制も含めて多角的に検討し、融資を決めていきます。

Q NPOバンクの多くは、融資先について情報公開しているようだ。

A これもNPOバンクの特徴です。出資者は、自分の資金がどのように使われているのかが明確になり安心できます。

Q NPOバンクの出資者には何らかの“見返り”はあるのか。

A 損失の危険性はあっても金銭的利益はありません。その代わりに、出資者は自分が提供した資金が社会に役立ち、「意志ある」お金として活用されることに意義を感じて出資しています。

Q 課題もあるようだが。

A NPOバンクは現在の法制度では貸金業者に分類されます。このため、2006年の悪質貸金業者排除を目的とした貸金業法改正の際には、バンク存続の危機ともいえる状況に巻き込まれました。この法改正では、登録に必要な純財産要件が段階的に5000万円まで引き上げられることになり、NPOバンクの新規設立や運営が憂慮されました。しかし、各地のNPOバンクのネットワークを支援する全国NPOバンク連絡会(バンク連)を中心とした運動が功を奏し、NPOバンクについては規制の対象外とする方向で動いています。
 バンク連の関係者は、「こうした市民の自発的な運動を政治や行政が応援していくのは世界の基本的な方向性ではないか」と語り、市民のお金を有効に循環させるNPOバンクを支援する観点から法整備の必要性を訴えています。



公明新聞記事(H19. 10. 22)より転載