経済教室NO.19地域資源活用で地域を元気に
                                   
Q 最近、地域資源という言葉をよく聞くが。

A 地域資源とは、地域ならではの伝統技術や特産品、観光名所など、地域の人なら誰もが知っている特色ある産業資源のことです。政府・与党は、地域経済・中小企業の活性化を進める上で、地域資源の活用を大きな柱として位置付けています。
 地元の人には見えにくいかもしれませんが、地域資源の中には、世界でも十分に通用する高いポテンシャル(潜在能力)を持ったものが少なくありません。そこで、地域外の人の協力を得ながら、こうした地域資源の「強み」を最大限に引き出し、地域活性化の“起爆剤”にする戦略です。
 政府・与党は、昨年7月に策定した経済成長戦略大綱で、地域資源の活用を支援する枠組みを設定し、6月には、これを具体化した新法「中小企業地域資源活用促進法」が施行されました。来年度予算概算要求でも、117億円が盛り込まれています。

Q 地域資源活用の具体的な事例は。

A 例えば、山形市では、世界的に著名なデザイナーが中心となって研究会を設立、鋳物などの地元技術を生かした質の高い商品開発を実施し、海外で高い評価を得ています。
 また、千葉県富浦町(現南房総市)は、特産品のびわを活用した商品の開発や観光情報の発信で、熊本県南小国町にある黒川温泉は、岩盤を掘りぬいた露天風呂など、独特な雰囲気の温泉郷を実現したことで、観光客を大幅に増やしています。

Q
どのような支援策があるのか。

A
商品開発から販路拡大まで、幅広い場面で総合的な支援メニューを用意しています。
 具体的には、地域資源を活用して新規性の高い商品開発に取り組む中小企業に対して、試作品開発などに必要な費用の一部を補助します。
 一方、生産、販売の段階にある場合は、機械や装置の取得価格の7%を税額控除、また、30%の特別償却(リースの場合は、総額の60%相当額について7%を税額控除)を認めるとともに、政府系金融機関の低利融資や、信用保証協会による保証枠の拡大なども実施します。
 さらに、地域資源の掘り起こしや株式公開をめざす企業に、都道府県と地域金融機関が一体となって資金供給を行う「地域中小企業応援ファンド」を設立。予算とは別に5年間で2000億円程度の資金を確保し、投資する方針です。このほか、マーケティングに精通した専門家が新商品・サービスの開発、販売に取り組む中小企業の相談に応じ、市場調査や商品企画、販路開拓などでアドバイスを行う制度もあります(全国10カ所に支援事務局を設置)。
 政府・与党は、こうした支援を通じて、今後5年間で1000件(2007年度は200件)の新事業創出を目標として掲げています。

Q 支援を受けるまでの流れは。

A まず、国が中小企業地域資源活用促進法に基づいて、地域資源の活用に関する基本方針を策定します。その上で、支援を受けるには、具体的な地域資源を指定した都道府県の基本構想の認定を経て、中小企業が地域資源活用事業計画を作成し、国に認定される必要があります。
 先月31日には、第1回の基本構想の認定が行われ、合計で8354件の地域資源が特定されました。地域資源活用事業計画の認定は10月に実施される予定です。

Q 地域経済の状況は依然厳しいだけに、施策の効果が十分に発揮できるようにしてほしい。

A そうですね。そもそも、政府・与党が地域資源の活用を進める背景には、地域間格差の問題があります。特に、産業の多くを公共事業に依存してきた地方では、厳しい財政事情の影響で国の公共事業費が削減される中、自立した経済構造への突破口が見いだせずにいます。
 一方、全体的に景気は回復基調にありますが、回復の中心は大企業で、中小企業にまで行き届いていないという問題もあります。こうした課題を克服し、景気回復の恩恵を拡大するものとして、地域資源活用への期待は高まっています。

Q 公明党の対応は。

A
公明党も地域経済を元気にする具体策の一つとして、地域資源の活用を重視。7月の参院選向けマニフェスト(政策綱領)の重点政策などに掲げ、強力に推進しています。
 中小企業地域資源活用促進法の審議においては、商品開発だけではなく、販路拡大を含めた幅広い支援体制の構築や、施策の効果を上げる方策などを求めてきました。
 今後も公明党は、中小企業支援を軸とした地域間格差の是正を進めるため、施策の効果を高める、きめ細かい対応をしていく方針です。


公明新聞記事(H19. 9. 17)より転載