経済教室NO.16前進する多重債務者対策

Q 多重債務というと、どうも例外的な話に聞こえてくるが。

A 必ずしも、そうとは言い切れません。初めは生活費の足しにするために貸金業者から借金するようなところから始まり、その後、法外な高金利や厳しい取り立てに遭い、借金のための借金を繰り返し、心身ともに追い詰められてしまう。こうしたケースは例外ではありません。

Q 確かに貸金業者による脅迫まがいの取り立てが社会問題化することがあった。金利が100%を超えるような暴利をむさぼるヤミ金融も現れたりした。

A 公明党はこうした深刻な事態を踏まえ、消費者保護の立場から利息についてのルールを定めた出資法の上限金利を40.004%から29.2%への引き下げなどを推進してきました。
 しかし、その後ヤミ金融の被害が相次いだことから、2003年3月、党内に金融問題調査プロジェクトチームを立ち上げ、精力的に調査・研究を重ね、政府に提言。昨年12月、貸金業の適正化やヤミ金融対策を定めた改正貸金業法が成立しました。

Q
改正法のポイントは。

A
一つは、利息制限法と出資法で貸し付け時の金利を二重に定めていたグレーゾーン金利を撤廃、出資法の上限金利を20%にまで下げたことです。これを超える貸し付けは刑事罰の対象となりました。20%超の貸し出しは7割ともいわれ、実効性が期待できます。
 ヤミ金融については罰則を強化。超高金利の貸し付けや無登録営業などについては、最長で懲役5年を10年に引き上げました。
 また、貸金業者には、借り手の返済能力の調査を義務付け、総借入残高が年収の3分の1を超える貸し付けなど、返済能力を超えた貸し付けが禁止されます。

Q 貸し手に対する規制強化を図る改正貸金業法は2009年末をメドに完全施行されるようだが、同時に「借り手」を守る手だても不可欠だろう。

A 今年4月、政府が決定した「多重債務問題改善プログラム」が、それに当たります。一番のポイントは全国規模でのキメ細かな相談体制確立です。
 多分に救済される可能性がありながら誰にも相談せずにいる多重債務者が圧倒的に多い現状を改善するため、全市町村の自治体で丁寧に事情を聞き、アドバイスを行う相談窓口を今後2年半の間に整備します。
 各地域で顔の見える融資を行う生活立て直しのためのセーフティーネット貸付けも広げていきます。このうち、都道府県の社会福祉協議会が実施している生活福祉資金貸付制度のうち、緊急小口資金の貸付限度額が4万円から10万円に倍増されました。これも公明党の国会質問がきっかけです。多重債務者を出さないための金融教育も強化。ヤミ金融の撲滅に向けて、取り締まりも一層徹底されます。

Q 多重債務や悪徳金融業者から消費者を守る対策はさまざま講じられているが、問題は尽きないようだね。

A 今、議論になっているテーマの一つに「クレジット被害」があります。
 年金生活者や比較的所得の低い人がクレジット契約で呉服や宝石などを次々と売り込まれ、数千万円に上る債務を抱えてしまうこともあり、人生を破たんさせる事例も珍しくありません。

Q そもそも、なぜ低所得者が数千万円もの“買い物”ができるのか?

A
強引な商売をする業者の悪質性も指弾されるべきですが、その背景にはクレジット会社の過剰与信があると言われています。つまり高額な商品の返済能力がないような人々でも審査が通るところに問題があります。

Q この問題ついての対応は?

A
公明党は、参院選の重点政策として掲げている「マニフェスト2007」で、こうした過剰与信や悪徳商法の被害の根絶を明示。具体的には、クレジットの利便性を確保しつつ、特定商取引法と割賦販売法の改正に向けて現在、議論を精力的に進めています。


公明新聞記事(H19. 7. 9)より転載