経済教室NO.14『政治の安定』がもたらす経済成長

Q 自公連立政権のもとで、わが国の経済は、戦後最長の景気回復を続けているね。

A 2002年2月からの景気回復は、「いざなぎ景気」を抜き、今も記録を更新しています。しかし、この景気回復は自然に起きたものではありません。
 今日に至るまでには、1990年代を通じたバブル崩壊後の経済の長期低迷や、銀行の相次ぐ破たんによる「金融危機」という未曾有の経済危機を乗り越えなければなりませんでした。また、「構造改革」が、「改革なければ成長なし」のスローガンを掲げて断行されたのは、記憶に新しいところです。
 こうした、政府・与党の経済政策が功を奏し、ようやく「失われた10年」を克服することができたのです。

Q なかでも銀行の不良債権の処理は、大きな転換点だった。

 
A 日本の経済の重しになっていた不良債権処理は、構造改革の「1丁目1番地」と位置付けられたものです。02年3月期には8.4%にも上った主要行の不良債権比率は、06年9月中間決算では1.5%と、劇的に改善することになりました。一方、企業の再生にも取り組み、産業再生機構によって破たん企業の支援が行われました。
 こうしたバブルの後始末だけでなく、経済の効率化をめざす前向きの改革も行なわれました。非効率な「官製市場」改革では、郵政民営化をはじめ道路公団民営化など特殊法人の改革、政府系金融機関の再編が実施され、民間と同等の立場で競争を促す官民競争入札制度も導入されています。

Q 改革の成果は、どんな経済指標に表れているのか。

A 実質国内総生産(GDP)は、01年度にはマイナス0.8%でしたが、以後5年連続してプラス成長を実現。上場企業が07年3月期まで4年連続で過去最高益を達成するなど好調ですし、設備投資も高い水準で推移しています。
 一方、国民生活に密接な雇用・所得環境も大きく改善しました。5.5%のピークをつけた完全失業率は、今年4月には3.8%へと大きく改善し、有効求人倍率も十数年ぶりの高水準です。所得では、家計の可処分所得(賃金+利子・配当収入)の増勢が鮮明になっています。

Q 改革が大きく進むことになった要因は?

A 首相のリーダーシップはもちろんですが、「政治の安定」がそれを支えてきたからです。特に、与党の中に公明党が加わったことで、政治の安定度が大きく増すことになりました。
 改革には一定の痛みを伴いますし、既得権を失う勢力が強硬に反対します。こうした抵抗を抑え必要な改革を推進していくには、政府・与党が国民の強い信託を受けていることが欠かせません。

Q 「政治の安定」の必要性は、今後も変わらないということか。

A そうですね。
 近年、経済パフォーマンス(成果)を制度が大きく左右することが指摘されるようになりました。「制度が重要」ということです。しかし、制度は変化するのに時間がかかる一方、制度の前提となる経済環境は早いスピードで変化します。ここにミスマッチ(不適合)が発生します。
 例えば、日本が高度経済成長を実現できたのは、メーンバンク制や株式持ち合いを背景にしたガバナンス(企業統治)、長期雇用慣行などがシステムとして一体化していたからだといわれています。しかし80年代以降、世界経済の市場化や自由化が急速に進み、旧来のシステムが機能不全を起こすようになり、かえって経済低迷を長引かせる要因になりました。
 新興国の台頭など厳しく変化する世界経済の中で、今後も日本が発展していくためには、国内の諸制度を市場志向型につくり変えていく必要性があるのです。

Q 具体的なテーマはあるのか。

A イノベーション(技術革新)を生み出す規制改革が必要です。特に、農業に代表される規制が強い分野を、将来性あるものへ転換していくことや、広範囲に残る官製市場をさらに改革していかねばなりません。
 それでは、これまでと同様に、既得権を守りたい勢力の抵抗を乗り越えていかねばならず、そのためにも「政治の安定」が引き続き必要条件となるのです。
 一方、郵政民営化で見せたように、官製市場を守りたい民主党など野党が勢力を増やせば、制度改革が後退し、経済パフォーマンスに悪い影響が出ることは確実です。
 公明党の太田代表は、負の遺産の処理を終えた今、全方位型改革を断行するためにも、参院選での与党の勝利の重要性を訴えています。


公明新聞記事(H19. 6. 18)より転載