経済教室NO.2806年度税制改正のポイント

Q 定率減税が全廃されるというが。

A 所得税(国税)額の20%(上限25万円)、個人住民税(地方税)額の15%(同4万円)を減額する定率減税は、小渕内閣当時の1999年に景気対策として導入されたものですが、景気が回復すれば元に戻す時限的な措置です。 
 そこで、近年の不良債権処理の進展や経済状況の改善を受けて、06年から減税幅を半分に圧縮することが昨年の税制改正大綱で決まっています。今回の大綱では、さらに景気回復が見込めることから、07年に全廃するとしています。半減の時期は所得税が06年1月、個人住民税が同年6月徴収分からで、全廃はそれぞれ1年後の予定です。
 定率減税は本来、特例措置であり、財源は国の借金である赤字国債です。全廃については、「次の世代に借金のツケを回すことはできる限り避けるべき」(坂口力・公明党税制調査会長)との考えに立って判断されたものです。
 ただし、景気は生き物であり、いつ変化するとも限りません。その際の歯止めとして、公明党の主張を踏まえ、大綱には「必要があれば、政府・与党の判断により、その見直しを含め、その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する」と明記されています。


Q たばこ税も引き上げられるね。

A 厳しい財政事情を受けて、大綱では「公債発行を極力圧縮するとの観点から、たばこ税の税率を引き上げる」とし、06年7月から1本当り販売価格で1円引き上げられます。
 引き上げは3年ぶりですが、大綱では「たばこに関するあらゆる健康増進策を総合的に検討した結果を受けて、たばこ税等の在り方について、必要に応じ、検討する」としています。


Q 景気回復を確実なものにするには、中小企業の活性化が欠かせないね。

A 公明党が粘り強く求めた結果、日本経済の屋台骨を担う中小企業の活力を最大限に引き出す観点から、税制面での支援策が拡充されています。
 具体的には、設備投資額の7%を税額控除できる中小企業投資促進税制については、ソフトウエアの購入なども対象に加え、適用期限を2年延長しました。
 また、少数の特定の株主による同族会社の留保金(設備投資などのために内部にとどめている資金)課税について、対象となる法人を限定した上で留保控除額を現行の30%から40%に拡充しますが、中小企業はさらに50%に引き上げます。
 さらに、販売促進の手段が限られている中小企業の事業活動を円滑化するため、交際費の損金参入特例を2年延長するとともに、1人当たり5000円以下の飲食費を対象とすることが認められました。

Q 地震に備えた税制も整備されたというが。

A 国民の安心・安全を確保するため、個人住宅の耐震改修費の10%(最高20万円)を所得税から差し引く「耐震改修促進税制」が導入されました。06年4月から08年12月までの時限措置で、1981年5月末以前に建築確認を受けた住宅が対象です。
 さらに地方税においては、82年1月1日以前に建てられた住宅を改修(工事費30万円以上、1戸当たり120平方b分まで)した場合に、家屋にかかる固定資産税を2分の1に減額する制度も創設。06年から09年までに改修すれば減額措置は3年に及びます。
 一方、地震保険はこれまで火災保険とセットで加入するため、所得控除は事実上受けられませんでした。そこで、今回の改正では、地震保険料について、所得税で保険料の全額(最高5万円)、個人住民税で保険料の2分の1(同2万5000円)をそれぞれ控除する仕組みが新設されます。
 現行の損害保険料控除は廃止されますが、06年末までに契約した長期損害保険(10年以上)の控除制度は存続します。

Q 土地税制はどうか。

A 不動産取引にかかる税金として、登録免許税(国税)と不動産取得税(地方税)があります。資産デフレの解消に向けて土地取引の活性化を後押しするため、土地売買に伴う軽減措置はいずれも据え置き、登録免許税で2年、不動産取得税で3年延長します。

Q 三位一体の改革(国と地方の税財政改革)に伴い、所得課税はどうなるのか。

A 所得税から個人住民税への3兆円規模の税源を移すため、07年から所得税の税率は現行の4段階から5-40%の6段階にし、現行3段階の個人住民税を10%に1本化します。ただ、個人の税負担は原則変わらないようにしています。
 また、税源移譲で所得税額が減り、個人住民税が増えるために、所得税を対象とした住宅ローン減税の効果が目減りしてしまう人については、減少分を個人住民税から差し引く仕組みを設け、負担増を回避します。

公明新聞記事(H17. 12. 26)より転載