経済教室NO.15改革の道筋示す骨太方針

Q 骨太の方針とは、どのようなものなのか。

A 骨太の方針は、正式名称を「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」といい、2001年の小泉内閣発足以来、経済財政諮問会議(首相の諮問機関)が毎年6月に策定しており、今回が第5弾となります。日本が直面する重要課題を踏まえつつ、小泉内閣が進める構造改革の方向性を示すとともに、毎年夏から始まる翌年度予算編成に向けての基本的な指針として位置付けられています。

Q 今回の骨太方針の中身は。

A 今回の骨太方針ではまず、日本経済の現状について、主要銀行が不良債権の半減目標を達成し、企業における雇用や設備投資などでの体質改善、収益力向上が家計にまで波及しつつある点を挙げ、「日本経済は”バブル後“と呼ばれた時期を確実に抜け出した」と分析しています。
 その上で、人口減少・超高齢化社会やグローバル化が進む中で、今年からの2年間を、さらなる経済成長の達成をめざす上での重要な時期と位置付けています。
 今後は、これまでの金融健全化を最優先してきた路線を転換し、「攻めの改革」に踏み出す必要性を指摘し、@「小さくて効率的な政府」の構築A少子高齢化とグローバル化を乗り切る基盤の整備B民需主導の経済成長の確立―をポイントに掲げています。

Q 具体的なポイントは。

A 「小さくて効率的な政府」の構築では、公務員の総人件費の削減が盛り込まれました。ここでは、「国、地方ともに定員の『純減目標』などの明確な目標を掲げて強力に取り組む」として、公務員の総人件費改革の基本方針を今年秋までに策定し、来年度予算や地方財政計画から順次反映させることにしています。
 また、公的サービスを民間の競争入札で民間に解放する「市場化テスト」については、本格導入に向けた法案の今年度中の提出をめざすとしたほか、資金の流れを「官から民に」変えるため、郵政民営化に続き、政府系金融機関の政策金融のあり方を検討するとしています。
 「少子高齢化とグローバル化を乗り切る基盤の整備」では、少子化対策や次世代育成支援が大きな柱として据えられました。公明党の強い主張を踏まえたもので、「国の基本政策として強力に推進する」と、国を挙げた取り組みを強化することが明記されました。
 また、国民の安全・安心の確保を「国の基本的な責務」として、公共施設や住宅の耐震化、公共交通機関の安全対策の推進が盛り込まれ、「世界一安全な国、日本」の復活へ治安対策も拡充します。
 一方、社会保障給付費の伸び率をGDP(国内総生産)などの経済指標に連動させて抑制する手法の導入については、与党の強い反対により、最終的には、具体的な経済指標として原案にあった「経済成長率」との文言は削除され、具体的な指標や数値目標は、今後の検討課題になりました。
 公明党は、経済指標と医療費との間には相関関係がないなどとして、「社会保障の性格からみて困難であり、行うべきではない」と、慎重な対応を一貫して求めていました。
 また、ODA(政府開発援助)に関しても、公明党の意見を反映させ、国連が求めるGNI(国民総所得)の0.7%を目標に掲げ、増額へ転換する方針を示しています。
 民需主導の経済成長の確立に向けては、公共投資の重点化・効率化を引き続き堅持するとともに、デフレ(物価の持続的下落)脱却を確実なものにするため、政府と日銀が一体となった取り組みの強化を打ち出しました。来年度予算については、歳出改革を強化しつつ、メリハリのある配分を図るとしています。

Q 公明党の具体的な取り組みは。


A 同方針の取りまとめに際し、公明党の井上義久政務調査会長らは6月2日、竹中平蔵経済財政担当相に対し、今後の重要政策についての申入れを行いました。
 この中で井上政調会長は、国が緊急に取り組むべき最重要課題として少子化対策、次世代育成支援を強調し、また、防災、防犯、交通安全などの「完全・安心対策」の拡充などを強く要請しました。
 これを踏まえ、骨太の方針には子育て支援や原案で位置付けが低かった安全・安心の確保への施策が拡充されたほか、「文化芸術・スポーツ振興」が盛り込まれるなど、公明党の主張が大きく反映されています。
              
公明新聞記事(H17. 7. 4)より転載