経済教室NO.2中小企業対策を拡充へ

Q 昨年12月発表の日銀短観によれば、中小企業製造業における04年度の設備投資計画は1991年度以来の高い伸びだったとか。

A そうですね。国内における設備投資の復活は産業の空洞化に歯止めをかけ、何より雇用拡大につながっていきます。資本金1億円未満の中小企業の倒産件数にしても03年には99年以来4年ぶりで1万6000件を割るなど、明らかに減少傾向にあります。

Q 日本経済は昨年中盤には力強さがあったが、弱含みで新年を迎えた。加えて、昨年末に示された05年度の予算政府案は厳しい財政事情を背景に「緊縮型」だ。これで中小企業に活力を与えることができるのか。

A もはや待ったなしの財政再建にきちんと道すじを立てつつ、真に必要な施策には手厚く配分したのが今回の予算案です。中小企業の動向が日本経済再生の大きなカギを握ることは間違いありません。その意味で新年度予算案には中小企業が持つ潜在力を伸ばし、支援するための新規事業や大幅に拡充された事業がさまざま盛り込まれています。

Q 目玉の一つは、中小企業支援3法(中小創造法、経営革新法、新事業創出促進法)を中小企業新事業活動促進法(仮称)に一本化することと聞いたが。

A 関連3法
に共通する創業、経営革新支援の仕組みをたばねることで、活力ある中小企業の新展開を促進させるのが狙いです。こうした発想のもとに、業種を超えた新連携を強力に支援するため、地域における経営や中小企業金融の専門家が集まる「新連携支援地域戦略会議。」(仮称)を全国のブロックごとに設置します。

Q 税制面での支援策にはどのようなものがあるのか。

A 創業や経営革新に取り組む中小企業が円滑に設備投資を行なえるよう設備投資減税が拡充されます。これは、一定の成長が見込まれる認定事業者を対象に異分野連携事業にも新たに適用されます。

Q ベンチャー企業に資金提供をする個人投資家に対して優遇税制を適用するエンジェル税制の取り扱いはどうなるのか。

A ベンチャー支援をさらに推し進めるため、株式譲渡益の圧縮措置の適用限度が07年度末まで延長されます。エンジェル税制で日本では97年に始められました。00年に拡充され、03年度には利用者が飛躍的に増加しています。
 このほか税制面では、留保金課税の特例措置が拡充されます。中小企業をめぐる資金調達環境は依然として厳しいものがあります。大半の中小企業が該当する同族会社の内部留保(次期企業活動資金として企業が自由に使用できる資金)に対して課税する留保金課税について、設立10年以内の中小企業や新経営革新計画の承認企業を対象に免除するものです。

Q 中小企業についてはいかに円滑な融資環境を創出できるかが大きいのではないか。

A 担保や個人保証に過度に依存しない融資の仕組みをつくるために政府系金融機関の無担保・無保証融資、民間金融機関などの貸付債権の証券化支援も前年度に比べ予算規模で3倍以上拡充されます。

Q 中心市街地の活性化が喫緊の課題となっているところも多い。

A 中心市街地の来街者や居住者を増やすためのまちづくりプランと商業集積活性化を一体的に進める先進的な取り組みを行う自治体には、国が直接重点的に支援を行う制度が新設されます。関係各省庁と連携しつつ、ハード、ソフト両面から、幅広く薄くではなく、モデルとなる先進例に手厚く支援していくのが特徴です。
              
公明新聞記事(H17. 1. 17)より転載